やまえじ

エヴリィパロやまえじ(書きかけ)

やまえじの「エヴリィBuddy!」パロ小説です。※書きかけです※そのうち本にする予定※今後大幅に書き換え予定※全く構成してません 瑛二→大和の呼び名がブレてる部分があるし誤字脱字の可能性があります※いろいろ説明端折ってるのでパロ元聞いてない…

夏がほどける

 虫の鳴き声がじりじりとうるさい。 これ、なんの声だったっけか。ここに住んでいた頃、夏になるとよく聴いていた声のはずだが、もう聞き分けできなくなってしまったようだ。特に愛着のない土地なのに、些細なことが侘しい。「きつくない?」「はい」「じゃ…

あせだくやまえじ

 激しい雨が降り続いていた。雷の轟音にも一度も目を覚まさなかった大和は、部屋の蒸し暑さにふっと目を開けた。「……停電、か?」 天井を見上げぽつりと呟く。エアコンは沈黙し、室内は湿気を含んだ静けさに包まれていた。隣で瑛二が動く気配がする。同じ…

ラブホに行くやまえじの話

2025年5月 超プリ★コン2025 にて発行した無配小説です。 「あのお城みたいな建物って何なんだろう?」  春の海に心地よくぬるい風が吹き抜ける。空は淡い紫色に染まり、地平線が遠くの方に薄く光っている。季節外れで人気のない海は…

夕立

 その日は朝から曇天で、カーテンを少し開けていても部屋は薄暗かった。 「降ってきちゃったね」  覆い被さった大和の肩越しに窓を見る。細かい雨粒がガラスを叩いていた。 「すぐやむだろ」「うん。でも、洗濯物干しっぱなしだ」「……今取りこみにいく…

観察日記

「お――」 おはよう、と続けようとした言葉をとっさに引っ込める。なるべく静かにドアを閉め、キッチンに立つ初々しい二人を眺めながらヴァンは壁にもたれて腕を組んだ。 冷蔵庫から卵を取り出した大和が、ボウルを手にした瑛二の元にいそいそと戻り手渡す…

大和と瑛二が温泉旅行に行く話(おまけ)

2024年8月11日開催のやまえじwebオンリー「climBing garden」で発行した同人誌「大和と瑛二が温泉に行く話」のおまけSSです。同人誌お持ちの方は先に本を読むのがおすすめですが、単体でも読んでいただけます。 &nb…

夏の超短いやまえじ

 咲きかけの立葵の向こうに背の低い影が揺れていた。 瑛二、と声をかけると顔を上げる。つばの広い帽子に腕をぴったり覆い隠すアームカバー、首にぐるぐる巻きつけたタオルで武装し、日焼け対策は万端だ。じょうろに残った水をまき終わると首筋の汗を拭った…

桜と火傷

「……瑛二?」 腕の中で起き出す気配に声をかけた。暗い部屋の中で表情は見えない。「ごめん、起こしちゃった?」 唇が頬に触れるのを感じる。瑛二がベッドを抜け出したのがかすかな物音でわかった。「まだ五時だから大和は寝てて。俺、朝から生放送だから…

二番星のゆくえ

 見上げた空に一筋星が流れた。光の軌道は願い事を唱える間もなく宵の闇に溶けて消えてしまう。瞬きする前になくなって、手を伸ばしても掴めない。そんな一瞬のきらめきを追う脆さを、なぜか自分の姿に重ねてしまう。理由も理屈もわからない。ただこの手が届…

二番星、きらきらひかる

「あかん疲れたぁ……死ぬかおもたわ……」 ぱたり、という謎の効果音まで自分の声で再生して、男はレッスン室の真ん中で倒れこんだ。おおげさなのだ、いつもいつもこいつは。「桐生院さんはもっと体力つけないとね」 言い残して、ダンスレッスンの講師が部…

Birthflower Cordial

 花壇に落ちた影が少しずつ短くなるのを眺めていた。昇っていく太陽にじわじわ侵食されていくせいだ。日課の水やりを終えてバケツとじょうろを定位置に戻し、日よけの帽子とアームカバーを外す。背中に汗が伝うのが分かった。「朝から精が出るなぁ」 通用口…